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8月になると、保育室の中でも「なんとなく重たい空気」が漂ってきます。
7月から続く暑さ、プール遊びや行事の連続、生活リズムの揺れ——それらが少しずつ積み重なって、子どもの体と心に「疲れ」として出てくる時期が、まさに8月です。
「うちの子、最近どこか変……」と感じているかた、その感覚は正しいと思います。今回は、保育室から見えてくる「夏の疲れのサイン」と、家庭でできる受け止め方をお伝えします。
保育園の夏は、実はハードです
小学校などと違い、保育園には長い夏休みがありません。ご家庭によって過ごし方はさまざまで、まとめてお休みをとる家庭もあれば、ほとんど休みなく登園している子もいます。
でもどちらにしても、7月〜8月の保育園生活はエネルギーを使います。毎日の暑さの中での登降園、プール遊びや夏祭りなどの行事、いつもと違う食事や睡眠のリズム——これらが重なって、子どもたちは知らず知らずのうちに疲れをためていくんです。
保育室でも、7月に比べて8月のほうが「疲れた顔」の子が増えてくるのを毎年感じます。
こんなサインが出ていませんか?
夏の疲れは、わかりやすい「しんどい」というサインだけで出てくるわけではありません。
- ちょっとしたことで泣く、怒る
- ご飯の食べ方にムラがある(食べすぎたり、食べなかったり)
- 朝なかなか起きられない、または夜なかなか寝つかない
- 「だっこ」「そばにいて」が増えた
- 園に着くといつもより甘えてなかなか離れない
- 帰宅後グッタリしてそのまま眠ってしまう
これらは「わがままが増えた」のではなく、「体と心がSOSを出している」状態です。

0〜2歳の子の場合:「崩れる」がサイン
まだ言葉で疲れを伝えられないこの時期の子どもは、体や行動で表現するしかありません。
機嫌の波が大きくなる、食欲が落ちる、夜泣きが増える——これは疲れのサインであることがほとんどです。体温が少し高め(でも熱というほどではない)の状態が続くことも。特に異常がなければ、まずはゆっくり休ませてあげてください。
3〜6歳の子の場合:「いつもと違う」を見てほしい
言葉が出るようになっても、「つかれた」とはなかなか言えないものです。むしろ「つまんない」「やだ」「行きたくない」という言葉や、乱暴な行動として出てくることがあります。
「どうしたの?」と聞いてもうまく答えられなくて当然です。「あ、この子今しんどいんだな」とまず受け取ってあげることが、何より大切な関わりだと思います。
📝 現場エピソード(フィクション)
8月に入って間もないころ、Dくん(4歳)が給食中に突然「もういい」と言って箸を置きました。嫌いなものが出たわけでも、体調が悪そうでもない。でも何か、顔がいつもと違う。
「どうした?お腹いっぱい?」と聞くと、しばらく黙ってから「……なんか、しんどい」とぽつりと言いました。4歳で「しんどい」が言えたこと、それ自体がすごいことだと思いながら、「そっか、しんどいんだね。少し休もうか」と返しました。
保護者にお伝えすると「家でも同じです。怒りっぽくなってて心配してました」とのこと。疲れが出てきているだけですよ、とお伝えしたら、少しほっとした様子でした。
家でできること:「引き算」の関わり方
夏の疲れが出ている時期の子どもに必要なのは、「何かをさせる」ではなく「何かを減らす」ことです。
- 習い事や予定は少し余裕を持たせる
- 夕方以降は静かな時間をつくる
- 「今日どうだった?」より「よく来たね、お疲れさま」から始める
- 抱きしめる時間を少し増やす
- お風呂はぬるめのお湯でゆったりと
「特別なことをしなければ」と思う必要はありません。ただそばにいて、受け取ってあげるだけで、子どもはだいぶ回復します。
💬 保護者へのひとこと
夏の保育園は、子どもにとってハードな場所です。毎日暑い中を登園して、プールに入って、ご飯を食べて、昼寝して、また帰ってくる。それだけでもう十分すごいことです。
「最近扱いにくい」と感じているとしたら、それは子どもが頑張りすぎているサインかもしれません。まずは「よく来たね」と受け取ってあげてください。それが、夏の一番の薬だと思っています。
📚 今月のおすすめ
▶ 『ノラネコぐんだん パンこうじょう』(工藤ノリコ・作、白泉社)
200万部突破のシリーズ第1作。食いしん坊のノラネコたちがパン工場にしのびこんで大騒動を巻き起こす、にぎやかで楽しい絵本です。夏の疲れで「なんとなく元気がない」子どもに、声を出して笑える時間をプレゼントしてあげてください。読みながら親もほぐれるのが、このシリーズの魅力です。2〜6歳ごろから楽しめます。
▶ 子ども用バスボム・入浴剤(おもちゃ入りタイプ)
疲れた夜のお風呂タイムを、少し楽しい時間に変えてくれるアイテムです。「お風呂から出たくない」と言ってぐずる子も、「今日は何が出るかな?」という楽しみがあると、すんなり入ってくれることがあります。ぬるめのお湯でゆっくり過ごすことが、夏の疲れ回復にもつながりますよ。



