指差ししないのが気になるとき|0〜2歳の発達と見守り方

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「うちの子、指差ししないけど大丈夫?」と感じたとき

0〜2歳の子どもを育てていると、「まだ指差しをしない」「周りの子は指をさしているのに」と気になる瞬間があります。健診や支援センター、保育園の送迎時など、同じくらいの月齢の子どもを見る機会が増えるほど、不安は強くなりやすいものです。

指差しは目に見えて分かりやすい行動のため、「できている・できていない」で判断してしまいがちです。しかし、指差しそのものよりも大切なのは、その前後で子どもの中にどんな力が育っているかという視点です。

不安を感じることは、子どもをよく見ている証拠でもあります。まずは「気になる」と感じた自分の感覚を否定せず、指差しという行動を発達の流れの中で捉えていきましょう。

指差しは、何のためにする行動なのか

指差しは、単に「指をさす動作」ができるかどうかを見るものではありません。子どもが「見てほしい」「伝えたい」「共有したい」と感じたときに出てくる、コミュニケーションの一つです。

多くの場合、指差しの前には、大人の顔を見る、興味のあるものに視線を向ける、大人の反応を待つといった経験が積み重なっています。つまり、指差しは突然現れるものではなく、日常のやり取りの延長線上にある行動です。

そのため、指差しがまだ見られない時期でも、大人と視線が合う、音や動きに反応する、欲しいものを声やしぐさで伝えようとする様子があれば、育ちは進んでいると考えられます。

指差しが見られる時期には幅がある

一般的に、指差しが見られ始める時期には個人差があります。早い子では1歳前後から見られることもありますが、もう少しゆっくりなペースで育つ子も珍しくありません。

また、同じ「指差し」でも、その形はさまざまです。人差し指ではなく、手のひら全体で示す子、視線だけで伝えようとする子もいます。動作の形にとらわれすぎると、「できていない」と感じやすくなります。

大切なのは、子どもが周囲と関わろうとしているかどうかです。伝え方が違っても、関わろうとする気持ちが育っていれば、発達の道筋から外れているわけではありません。

園や家庭でよくある、指差しに関する誤解

指差しについては、「指差しをしない=問題があるのでは」と不安を抱く保護者の声を多く耳にします。しかし、指差しはあくまで発達の一側面であり、それだけで判断できるものではありません。

例えば、言葉の理解が進んでいても、行動として表に出にくい子もいます。また、慎重な性格の子は、周囲をよく観察してから行動するため、目立った動きをあまり見せないこともあります。

一つの行動だけを切り取って評価してしまうと、子どもの全体像を見失いがちになります。園の現場でも、指差しが少なくても、別の形でしっかりと意思表示をしている子は多くいます。

家庭でできる、指差しにつながる関わり

指差しを「教える」必要はありませんが、日常の関わりの中で、育ちを後押しすることはできます。ポイントは、大人が子どもの興味に寄り添うことです。

子どもが見ているものに気づいたら、「あ、車だね」「音がするね」と言葉を添えてみましょう。大人が同じものを見る経験を重ねることで、「伝えると共有できる」という感覚が育ちます。

また、大人自身が指差しを使って見せることも自然な刺激になります。「あそこに猫がいるよ」と指をさしながら伝えることで、動作と意味が結びつきやすくなります。ただし、無理に真似させる必要はありません。


指差しは、練習させるほど出るものではなく、「見つけた」「伝えたい」が湧いたときに自然と出やすくなります。
そのきっかけを作るのに、短い絵本を一緒に眺めて“同じものを見る時間”を増やす方法が役立ちます。

指差し・やり取りのきっかけに、絵本を1冊(おすすめ)

指差しや真似は、「できるかどうか」を試すよりも、親子で同じものを見て、同じ気持ちを共有する時間の中で育ちやすいものです。
短い絵本を1冊決めて、繰り返し読むだけでも、目線・指差し・声のやり取りが起きる場面が増えていきます。

『おつきさまこんばんは』

  • 同じ場面がくり返されるので、「見つけた」「指したい」が起きやすい
  • 親の声かけが短くてもやり取りが続きやすい
  • 読み慣れるほど、子どもが先に反応しやすくなる

読み方のコツは、質問で追い立てないことです。
「いるね」「見えたね」など短い言葉で受け止め、子どもの目線や指の動きに合わせて待つ方が、やり取りが育ちやすくなります。

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おつきさまこんばんは―くつくつあるけのほん4 (福音館 あかちゃんの絵本)
静かな夜の空。ネコが寝そべる屋根の上が明るくなって、しだいに金色に輝くまん丸いお月さまがでてきました。「お月さまこんばんは」。ところが、そこに黒い雲がやってきて、お月さまを隠してしまいます。でも、だいじょうぶ。黒い雲は少しお月さまと話をして...

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焦りが強いときに起こりやすい関わり

「指差しをさせたい」という気持ちが強くなると、「これ指差して」「ほら、こうやって」と促しすぎてしまうことがあります。しかし、子どもにとっては「試されている」「求められている」と感じることもあります。

そうした場面が続くと、子どもは自分から伝えようとする意欲を持ちにくくなることがあります。発達は、安心できる関係の中でこそ進みます。うまくいかないときほど、関わりを一度ゆるめてみることが大切です。

大人の焦りは、言葉にしなくても伝わります。うまくできないときがあっても、「今は準備中」と捉える視点が、子どもの安心につながります。

気になるときに見ておきたい、他の育ちの視点

指差しだけに注目するのではなく、日常の中での子どもの姿を幅広く見てみましょう。名前を呼ぶと反応するか、身近な大人とのやり取りを楽しんでいるか、興味のあるものを共有しようとするかなど、見るポイントはたくさんあります。

これらはすべて、コミュニケーションの土台となる力です。指差しがまだ見られなくても、こうした姿があれば、育ちは確実に進んでいます。

相談を考えるときの目安と考え方

「相談していいのか迷う」という声はとても多いですが、相談は不安を解消するための手段の一つです。気になる気持ちが続く場合は、園の先生や地域の相談窓口など、身近な場所から話してみるとよいでしょう。

相談することは、「問題があると決めつけること」ではありません。子どもの姿を一緒に整理し、見守り方を確認するための機会と捉えてください。

指差しはゴールではなく、育ちの途中に現れる一つの表現です。子ども一人ひとりのペースを尊重しながら、安心して関われる環境を整えることが、何よりの支えになります。

 


 

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